---その頃、お城は・・・
「大変だっ!!侵略者だ!!」
最初に気が付いたのは、ルミエールでした。
サクラ達は、あと少しでお城の入り口の扉に辿り着きそうです。
ルミエール達は扉へと急ぎました。
扉に辿り着いたサクラ達は、持って来た大木を扉にぶつけ、
『殺せ!殺せ!』という掛け声と一緒に扉を壊そうとします。
それを止める為にルミエール達が、中から抑えます。
---ドンッ、ドンッ、ドンッ
ルミエール達の努力も空しく扉が壊れそうになります。
「もう駄目だわっ!私は王様にこの事を知らせてくるから
みんなは戦闘準備に備えて、配置に着いてっ!!」
そう言うと、ポット夫人はケンのもとへと走りました。
みんなはポット夫人の言う通り配置に着きます。
「後少しだっ!!」
サクラが叫びます。
---ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ・・・・バリバリバリッッ!!!
ついに、サクラ達が扉を破ってお城に入って来ました。
しかし、お城の中はシーンとしていて、
周りにたくさん物が置いてあるだけ。
サクラ達が警戒しながら入って来ると、
ルミエールが叫びました。
「今だっ!!!!」
すると、周りに置いてあった物達がいっせいにサクラ達に襲い掛かりました。
「う、うわぁ?!何だ?!!」
サクラ達は驚きます。
「怖がるな殺せっ!!」
サクラがそう言うと、町の男達が反撃しました。
物達と町の男達が戦ってるのをすり抜け、
サクラはケンの居る奥の部屋を目指しました。
「王様っ!!ご存知でしょうが、お城に侵略者が!!」
ケンの部屋に着いたポット夫人。
ケンは窓の外をボーっと見ていました。
「王様っ!!このままではお城がっ!!」
ケンはチラッとポット夫人を見ると、また窓の外を見ました。
ケンはハイドを失った喪失感で立ち直れなかったのです。
「・・・もう・・ええんや・・・」
そう言うとケンは魔女から渡された薔薇を見ます。
花びらは後一枚。
これが散ってしまえば、全てが終わりです。
ポット夫人は、そんな王様の姿を見ると、
静かに部屋を去り、ルミエール達のもとに急ぎました。
「おいっ!!お前が王だな!!」
サクラはついにケンの部屋を見つけました。
「お前と俺、どっちがハイドに相応しいか勝負するんだっ!!」
そう言って、サクラは剣を抜きました。
ケンは、サクラをチラッと見るました。
しかし、戦う気配はありません。
「おいっ!!どうした!!早く来い!!」
サクラがいくら挑発しても、一向に動く気配のないケンに痺れを切らし、
サクラはケンに飛び掛りました。
「やめろやっ!!」
ケンが暴れると、その拍子に二人共外にお城の屋根に落ちました。
外は、嵐でした。
「どうした!!臆病者!!」
やはり動く気配のないケン。
森をジッと見つめているだけです。
サクラは気が付きました。
「そうか、ハイドの帰りを待ってるんだな。
フンッ。お前なんかのところにハイドが帰ってくるわけないだろう!!!
ハイドは俺のものだ!!!」
サクラがそう叫ぶと、ケンがサクラを睨み、
殴り掛かってきました。
「・・・っ・・・やっとやる気になったか!」
サクラは剣でケンの腕を切りつけました。
「うっ・・・」
やっとハイド達がお城に着きました。
ハイドはお城を見ます。
すると、ケンとサクラが戦っているのを見つけました。
「ケンちゃんっ!!!」
ハイドは急いでお城に入って行きました。
「・・・ぐはっ」
素手で戦っているケンと剣で戦っているサクラとでは、
断然サクラの方が有利。
ケンの着ているシャツは血で染まっています。
ケンが、もう諦めかけた時です。
「ケンちゃんっ!!!!!」
上で声がしました。
その声は正しく愛しいハイドの声。
ハイドは、ケンに手を伸ばします。
ケンはそれ見ると、最後の力でサクラを殴りつけりました。
サクラは倒れ、その拍子に剣を落としてしまいました。
「ハイド・・・・・」
サクラが倒れたのを見ると、
ケンは、ハイドの手を掴もうとします。
その時・・・・
「危ないっ!!!」
サクラが起き上がり、剣を拾うと、
ケンの背中に突き刺しました。
「ぐはぁっ!!!」
ケンは下に落ちそうになります。
「ケンちゃんっ!!」
ハイドがケンの腕を掴みます。
サクラはケンが落ちそうになった時に押され、
そのままバランスを崩して下に落ちていきました。
『侵略者』