ジロウにもう3週間も会ってない。

まぁ、お互い仕事忙しかったから仕様が無いんだけどさ。

やっぱ、寂しいな・・・何て思う訳よ。

だからさ、思い切って昨日メールしたんだ。

滅多に人を誘わない俺が、

『明日ジロウんち行ってもイイ?』って。

スゴクね?!マジ頑張ったよ俺。

なのにさ、なのにさ・・・

ジロウからの返事は

『ゴメン明日の事まだよく分かんないだ;;だから、明日またメールするね』

だって。

マジムカツクっ!!人が折角頑張ってメールしてやったのによ!!

あの餅っっ!!!

アイツなんてもうどうでもイイ!!




なんて、思いつつも今日ずっとジロウからのメールを待つ俺。

でも、待っても待っても一向に鳴らない携帯電話。

ホント俺って馬鹿みたい。

いつでもすぐ出掛けられるように、髪をセットして服も用意してさ。

気を紛らわすためにパソコンやったりしてみるけど、

やっぱり携帯電話が気になって仕方ない。



もう、諦めかけたその時---。

携帯電話の着信音が部屋に響き渡った。

相手はもちろんジロウ。

俺はドキドキしながらジロウからのメールを開く。

内容を見た俺は唖然とした。

『ゴメン!!トノ君。今日スタッフの人達と飲みに行く事になっちゃってさ;;』

だってさ。

あの餅!!!俺とスタッフどっちが大事なんだよ!!

人が折角準備して待ってたのによ!!

秋葉にも行きたかったのに我慢してたんだぞっっ!!!

俺の今日一日返せ!!!!

もうイイ!!今日はもう寝る!!

餅とは一生口きいてやんねぇ!!!

俺は携帯電話をその辺に放り投げるとベットに入った。









ピンポーン


ヒサシが眠りついてから大分経った頃、ヒサシの部屋にチャイムが響き渡った。


ピンポーン


「・・・アレ?トノ君寝ちゃったのかな・・そんな遅い時間じゃ無いのに」

そう言って時計を見ると、まだ11時だった。

「どっか出掛けてんのかなぁ」

ジロウは少し考えてから、合鍵を使う事にした。

「おじゃましまーす」

玄関を見ると靴があった。

「なんだ、居るじゃん。って事はやっぱ寝てんのかな」

真っ暗な室内を寝室目掛けて進む。

「痛っっ!!何だコレ」

ジロウが踏んだのは、ヒサシの携帯電話。

「何でこんなトコにあるんだよ」

まさか、廊下のど真ん中で携帯電話を踏むなんて思っても見なかった

ジロウはちょっとムッとしながらも目的の寝室にたどり着いた。

そこには、やはりジロウの思ったとおり、

ベットで規則正しい寝息をたてるヒサシの姿が。

その姿にまたムッときたジロウは、ヒサシを起こしにかかる。

「ちょっと!!トノ君?!起きてよっっ!!」

ヒサシ大声で呼びながら体を揺さぶった。

「・・・ん・・ふぁ?・・ジロ・・??」

いきなり起こされて、目の前にはジロウが居て、

起きたばかりでよう状況が理解出来ないヒサシは、

目をこすりながらゆっくり起き上がった。

「何で居んの?」

まだ目覚めてない頭で考え、やっと言葉を発した。

「何でじゃないでしょ!!飲み終わったらトノ君ち行くってメールしたじゃん!!」

ジロウは、またまたムッとしながら答える。

「ん〜・・・そんなメール着てないよ?」

「そんなハズ無いよっ!ちゃんとメール見たの??」

そう言うと、ジロウはヒサシの携帯電話を渡した。

さっき踏んだ時にちゃんと拾って置いたのだ。

「えぇ〜そんな事書いてない・・・・・・・・・・あっ!!」

「やっぱり、ちゃんと見てなかったじゃんっ。トノ君はいつも・・・」

ジロウの小言が始まろうとした時、ヒサシが抱きついてきた。

「ジロ・・・会いたかった」

そう言うとまた眠りについてしまった。

普段そんな事言わないヒサシにジロウは驚きながらも、

幸せそうに微笑んだ。













次の日の朝

「お前なんでココに居んだよっ!!」

「はぁっ?!意味分かんないこと言わないでよっ!!」

「意味分かんないのはコッチだよっ!!」



どうやら、ヒサシは昨日の事を覚えてないらしく、

朝から喧嘩の二人。

でも、『喧嘩する程仲が良い』って言うしね☆
あとがき。

可愛いんだか可愛くないんだかよく分からんヒサシでした。
このお話、一部実体験だったり?!(笑)

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